元職場の女性の先輩から現在の生活を察知されてLINEが届きましたので、以下の通り返信しました(?)※虚実含む

 

※僕は山田、女性は善子(よしこ)、同僚男性は則織(のりおり)、人事総務部長は井出田(いでた)とさせていただきます。

 

※以下のやりとりは、僕(ひもにい)の人格のすべてを表すものではありません。

 

※控えめに言っても「心地よい」内容ではないので、途中飛ばして読んで頂くか、時間で区切って読んで頂いても構いません。よろしくお願いいたします。

 

まずは、善子からのLINEをどうぞ。ちょっと長いですが。

 

山田君へ

 

やっほー。やーまだ君!元気かな??

本当に本当に久しぶり。4年ぶりくらいかな?

 

突然、LINE送っちゃってごめんね。驚いたでしょ?ブロックされてないことを祈っているんだけど届いているかな?(笑)

君の事をね、人事総務課で休職しちゃった時からずっと気にかけていたの。ほら、あの時色々あったみたいで、突然居なくなっちゃったでしょ?

 

適応障害(だよね?)はもう大丈夫なのかな?

君の当時の病気のことは今もよく分からないんだけど、やっぱり相当苦しかったと思います。

私はあまり人のダメな所を詮索したくないし、私がどうあがいても君の立場に立つことは出来ないから、色々言うと失礼になっちゃうかもしれないけど、ごめんね。やっぱり環境が君に合っていなかったのかな。

でもね、施設課に君が来た当初から思っていたのだけど(本当だよ!)、君は一つの組織のような所より、もっとフリーで、誰にも何にも縛られず、己の力をチャレンジできる環境が一番合っているのではないかな。君がこれから活躍する世界に比べたら私達の職場なんて狭い狭い!

 

今回LINEを送ったのはね、君が人事総務課の前の施設課にいた時に、目の前の席に座っていた私とやりとりしてた内容を思い出してみたり、君が仲が良かった同僚の則織君とこないだ飲んだ時に、君の話題が出たこともあって、少し話してみたくなったの。

嫌な目にあった職場の人達と話すのは、誰であろうと君にとっては門前払いだろうということは知ってる。

でもごめんね。君とは少し仲が良かった記憶もあって、私の気持ちも伝えたいと思ったの。わがままを許してください。

 

当時のことについてね・・なんか本当にひどい対応しちゃってごめんねと言いたいの。

君はとても優しい人だったよね。私がいくら嫌味を言っても、あなたの細かいミスを口酸っぱくして注意をしても、君は「すいません。すいません」と余計な言葉を付け加えずに冷や汗を掻いて平謝りしてた。

その後に、私が空気を汚してしまったことに少し良心を咎めて、君に話しかけても、「大丈夫です。先程はすみませんでした。ありがとうございます」と真剣な顔で応対してくれたよね。

 

私はね、本当のところ、いつも緊張して職場の仲間と中々打ち解けようとしない君のことがよく分からなくて、少し距離を置きながらも、君を刺激するような言葉をあえて言って、その反応からどんな人か知りたかったところが大きかったと思うの。

あなたは見るからに繊細そうだったし、私の横暴な振る舞いとは真逆の言動をする人だったからね。

 

あなたは真水のように純粋な人で、目を丸くしながら私の顔を見てた。今思えば君は何を考えながら私を見ていたのと思うよ。

でも辛辣な言葉をマシンガンのように大きな声でかけちゃったりして、あなたを傷つけてしまったこと。これは事実だと思うの。本当に心から謝罪します。ごめんなさい。

 

話ちょっと変わるね。則織君の最近のこと、知ってる?

彼今は中央秘書課のエース的存在になって頑張っているのだけど、君が辞めたあとに私の課に異動してきた臨時職員の人と結婚したんだ。すごい可愛らしくて、よく笑う子で、私もお気に入りの子!(笑)

 

それでね、ついこないだ赤ちゃんが生まれたんだよ。男の子。

 

こないだ則織君と臨時職員の子がね、うちの職場に生まれたばかりの赤ちゃんを連れてきたよ。

 

山田君、赤ちゃんってね、もうやっぱり何にも変え難い宝物だと思う。

 

私はもう44歳のおばちゃんになっちゃったけどね。でもね、この年でも赤ん坊のキラキラとした七変化の表情は、そこらへんの下手なダイアモンドの指輪や真珠のネックレスより輝いてみえるものだった。

赤ん坊の目を見てるだけで何の罪もない世界へと誘われる様で、「ああ、この子はやっぱり生まれてきて良かったんだ」と心の底から思った。

生きとし生けるもの、誰一人として死ぬ権利のある者はいない。掛け値なしに、そう思わせてくれたのよ。

 

なんだか感傷的になってごめんね。これ、社会に揉まれすぎて純粋じゃなくなったおばさんのないものねだり病かも!笑

私にいつの間にか染み付いちゃった悪癖ね。君ももう少し年を取ると分かると思うけど、人生経験で積み重なるプライドに伴って、行き場がなくなるこの感情は、どうしたらいいのかしら。

私は山田君が施設課にいた時に、前の旦那と離婚協議してたの、確か話したよね(私は前に山田くんに話した記憶があるの笑)。

今はそれも成立して、大きくなった娘とやっと二人暮しになった。もう娘は15歳の中学三年生。こないだやっとこさ長い受験期間が終わって、県立のとある高校に進学することに決まったの(山田君の○○高校よりは低いけど!山田君なんだかんだ頭良いよね)。

ただでさえやりがいが感じにくい業務を日々こなしているのに、突然の離婚沙汰。そして娘の高校受験。そして大学も見据えた学費の計算。一難去ってまた一難。それどころか同時多発的な難。

 

人生ってそんなもんだわね。

でもね、超えられない壁は神様は絶対に設定しないって個人的には信じてるの。この年になってもそう思う。

 

あ、井手田部長のこと、覚えてるかな。

 

山田くんが決裁文書を渡しに行く時に「ちょっと怖いです」って苦笑いしながら言っていた人ね。

部長も来年度遂に定年退職の年なんだ。

実は私、井出田部長の奥さんと同じスポーツジムに通っていて、そこでお互い家族ぐるみで仲が良くなって、山田君の体調が悪くなって職場を休み始めた頃から、人事総務部の直接上司だった井出田部長と相談し始めて、山田君のことを真剣に話していたんだ。

ある日ね、私ほら、我慢できずに自分の考えを押し通しちゃうことがあるから、部長にも大きな声で怒っちゃった。

 

「何で山田くんをもっと守ってくれなかったんですか!!もう少し彼に寄り添った態度を取れなかったんですか!!」

 

ってね。

そしたら部長ね、

 

「彼の成長・・・彼の成長のために、色々と厳しい態度をとっちゃったかもしれない。私はあえて彼がニコニコしてても笑わなかった。以前問題を起こした〇〇君の時もそうやって対応した」

「公務員に対する世間の目は日に日に増している。これから彼の想像の域を超えるクレーマーが出てきたり、一筋縄ではいかない自治体の難しい運営事業にさしかかったとき、彼の態度が通用しないということを教えてやりたかった」

「すべては彼のため。彼のためだったら悪人のように振る舞ってもいいのだとその時思ってたよ」

 

山田くん。私は何も言えなかったよ。

普通さ、大抵の人は自己防衛に走る。

その人の目の前では目は笑えなくとも顔は柔和にさせて感じ良く対応するけど、陰でグチグチと言いふらして、共感を持ってもらう潜在的な仲間を虎視眈々と増やして、自分の溜飲を下げる卑怯な人がほとんど。

 

でもね、部長はそうじゃなかったみたい。

目の前の人に嫌われてもいいんだって。

凄いことだと思わない?

 

山田君。人間って実はみんな優しい。

その人のために目の前で言えない優しさ。

その人のためにあえて厳しく言う優しさ。

・・・なんだか分からなくなってきちゃった。

井手田部長は君が思うよりもいつも君のことを気にかけていてくれたはず。

それだけは言えるよ。私、部長と話して直にそれを感じたの。信じてね。

 

山田君は、君は今、どこで何をしてるのかな。

君と会えなくなって4年経つけど、君と出会ったことは本当に今でも忘れないんだよ。だからこうして時間を割いてLINE送ったの。

君は見かけも悪くないし、自然と女性も寄ってきそうだし、公務員のような堅くて狭くて上意下達の世界では生きにくいかもしれないね。

そういう長所も活かせられるのは、君の資質だろうから、なんだか私より人生楽しく生きられそう。

本当にそう思うよ。

 

LINE、長くなりました。

ここまで読んでくれてありがとう。

またこっちに帰ってきたら連絡くれたりすると嬉しいな。ご飯でも食べに行きたい!職場の近くにお洒落なフレンチが出来たんだよ。遂に私達の街も都会派!!もちろん山田君の奢りで!(笑)

                               善子

 

以下、僕からの返信。これまた長いので覚悟を。

 

善子先輩

 

お久しぶりです。わざわざLINEありがとうございます。

 

あなたのことは、元職場の人がLINEの友達画面にいるというだけで、いわれようもない不快な気分をゾクゾクと感じていたので、休職後即ブロックしました。

ですが、僕が職場を辞める頃になって、どういう風の吹き回しか知りませんが、ブロックを解除してしまいました。

 

だけど今改めて、そのブロックを解除したことを心から後悔しています。

 

こんな訳の分からない文章を4年の歳月も経て、馬鹿な中高年おばさん特有の思いつきで送ってこないでください。人の病気を心配するより、あなた既に更年期障害なんじゃないですか?

文章もやけにレトリックが多くて、だけど一方的な私的感情もごちゃごちゃと書いていて、一見綺麗なことを語っているつもりですけど、結局何を言いたいのか、そしてあなたが何をしたいのか、全く持って意味不明です。

なんだか当時あなたは現代文学にハマっていたらしく「私、こう見えて山田詠美とか江國香織みたいな純文学が好きなの」と滔々と語っていたことがありましたね。

 

僕はその時、無知で真剣に話を聞く青年を装って淡々と頷いてましたが、心の中では終始笑っていました。

 

そんなものばかり読んでるから、年月経っても、突然無意識なヒステリー感情をこじれにこじらせて、それをタチ悪く顕在化させて、良い年してこんな無意味なLINEを送ってくるようになるんだ。

そんな少女趣味でいつまでもいるから、「認知されない繊細なポエマー」気取りで歯が浮くような言葉をこまごまと連ねて、女性として堕ちかけている自分を痛々しくも救済しようとするんだ。そうじゃありませんか。

 

別に山田詠美や江國香織や川上未映子や柳美里や綿矢りさが悪いんじゃない。

問題は作品の登場人物に投影同一視して、心の襞の襞まで刺激してくれる「悲劇の権力」的高揚感に何の疑いもなく浸ろうとするくせに、でもやっぱり普段の生活は繊細さなどに囚われないように俗欲の重力に引っ張られて、そこでオロオロしてる自分を解消しようとし、結果生理現象として自分より目下の者に対してヒステリーになる人たちなんです。

 

つまりあなたみたいなおばさんです。

 

そこはちゃんと自覚してくださいね。

 

則織に赤ん坊が生まれた?

それは良かったですね。おめでとうございます。

 

則織も僕が休職する前は色々なところで公務員風を吹かせていて、ウハウハだったのを知ってました?

とにかく毎週、他自治体や地銀の軽薄な女達と合コン三昧。隠れて地下のクラブでナンパ三昧。ド田舎だと小さな自治体ごときでも女性が寄ってくるから、コスパが良いですよね。

公務員の「安定神話」など、所詮日本人のクソ真面目さと、一方で「楽をしたい」という矛盾した既成道徳の中で作り上げられた「物語」に過ぎないのに。結末は、猿山のボス、外様の端っこで幅を利かす裸の王様なんだろうけど。

 

それから赤ん坊についてですが、一体何を伝えたいのでしょうか。

そりゃ僕でさえ、今までの人生で赤ん坊は可愛いなと思ったことはあります。

 

でもそれは所詮高等動物の発達段階において、思考力や人間性が未発達の段階の弱者を憐れむ目、小さくて無垢なものを労らなければいけないという社会的な強迫観念から生まれたものだと確信しています。

赤ん坊のような「有無を言わせない可愛さ」というのが、僕にとって不可解であり、また僕を生殺しの状態に追い込む脅威でもあるのです。

 

本当に困る。途端に息が詰まる。目を白黒させて卒倒しそうになる。

あなたは僕が純粋だと思っているようですが、全くの検討違いです。

 

僕が嫌いなのは純粋で無垢な生き物と、苦労人です。

手垢に全くまみれてないもの、その反対まみれ過ぎて達観しているもの。

 

つまり赤ん坊と、あなたみたいなおばさんです。

 

その二種類の生き物の前では、僕は無理やり跪かされ、猿轡をされ、銃口を額に当てられているような気になります。

 

則織に言っておいてください。

 

どんなに無垢な生き物でも、この世に生まれた瞬間から既に死の絶壁に向かって走っていると。パスカルの言葉です。

走っている最中に野原の小さな花々や、雄大な雲の美しさ、他ランナーとの他愛もない会話を楽しむこともあります。たまには雷雨に打たれることもあるでしょう。キツい山間部にさしかかり、しんどくて倒れ込んでも、他のランナーが手を差し伸べてくれることもあるでしょう。

でも、そんな紆余曲折を経ても結局人間は「死」に向かって走っている。

人によっては、不運にもすぐに雷に打たれて死んでしまうこともあるし、トチ狂ったランナー達に木陰にひきずりこまれ、ボコボコにされて、放置死されることもある。

そんな冷酷極まりない世界で殆どの人間は、「死」の切迫性をさほど感じることなく(目を覆い隠して)、自分が一番「優雅だ」と思って走っている。

そんな酷薄極まりない世界で僕は、もう優雅なことなど、楽しいことなど、面白いことなど、心地よいことなど、何もかもないと思っています。完全に眼の前から消え去ってしまった。

 

なのに赤ん坊の誕生を、何故みんながそこまで欣喜雀躍してめでたく祝うのか。

重ね重ね不可解です。こんな僕はおかしいのでしょうか?

 

井出田部長。名前を聞くだけでありありと眼前に現れてくるようですよ。

 

善子先輩。本当にあなたは部長の言葉が真意だと考えているのでしょうか。

 

もしそうだとしたら僭越ながら、心底からあなたのことを軽蔑したいと思います。

 

まず、人のために怒るということ。これは嘘八百です。もうこの言葉を濫用している時点で僕は相手の話が頭に入ってこなくなります。

人のため人のためと言いながら怒っている人の目に、僕は「自分の不平不満の解消」しか読み取ったことしかありません。本当に都合のいい言葉ですよね。「人のため」という隠れ蓑を使うことで、言葉の暴力は正義に、傍観は見世物的教育に変わり、人間は人間を精神的に、そして死の果てまでも簡単に追い詰めることが出来る。

井手田部長は僕がどんなに無能か、どんなに人格破綻なのか、全部周りの幹部にチクっていたそうですよ。現に部長にしか話していない僕のナイーブな個人的事情を、何故か違う支所の幹部の人が僕に簡単に確認してきましたから。

 

それが人間の優しさ?

笑止千万です。

 

どうせあのおっさんはこれからも歪んだ杓子定規で生きていって、それに見合わない人物を自己勝手に激しく断罪していって、やっと定年間際に「ああ、私は公務員生活を全うした」という、ドロ臭い泉から湧き出てくる1ccにも満たない虚栄心を手酌で懸命にすくい取ろうとして、ゴクゴクと飲み干して満足するのでしょう。

そして自称「経験のプロ」として、知性の欠片もなく、酒とゲートボールとつまんねえ談話を繰り返して、田舎地域のリーダーで頭打ちされて老後を歩んで、平凡に最期を迎えればいいずら。

 

善子先輩。

本当にあなたみたいな人は、そうやってずっと傷つくフリをして、そして内省して何かに気づいた感じになって、乙女の心情を取り戻した気になって、恥ずかしくないんですか?

 

僕はもう自分のことは何も報告することはないですし、どこで何やっているのかも何も教えたくない。

 

でも女性に依存して生きられるものなら、そう生きていきたいです。

養なわれたい職業上位の地方公務員が、実質クビにされて、女性に依存しながら、犬なのか猫なのか奴隷なのか果たして何なのか分からない生き物になって、分厚い鎖につながれて、生きていく。

 

 

ハハハハハハハハッ!!!想像するだけで!!こりゃ面白い!!

 

どうでしょうか。

そんな、僕の姿、善子先輩の眼に、容易に映りますか?

 

以上です。お世話になりました。

                                                山田

P.S. もうそちらに帰ることはありませんので、食事などお気遣いなく。LINEも送信後改めてブロックします。どうぞ職場の仲間と、娘さんと仲良く暮らして下さい。僕の噂を飯にしてあれこれ言っても結構ですが、二度と詮索などしてこないでくださいね。

では。

 

 

 

 

※上記の内容は、僕観点からかなりマイナスの方向に脚色したものです。登場人物も所属先もそのまま実在するものではありません。どうぞご了承ください。

※アイキャッチ画像も登場人物と関係ありません。