ヒモ生活という「綱渡り」

 

みなさんお久しぶりです。ひもにいです。

 

 

ここ4ヶ月、ブログを書く気力が一気に減退し、都内の古本屋をハシゴして古典を買い漁ったり、訳もなくラテン語とドイツ語の勉強をしたり、軽井沢や関東近郊に彼女と2人で旅行したりしておりました。

 

こないだとある友人から「最近はまるで貴族のような生活をしてるね」と皮肉混じりに言われました。

 

そんな大それた身分とは程遠い気がするのですが、確かに通常の会社勤めの方が毎日職場で死ぬ気で向き合っているようなリアリティな苦痛(ノルマのこなし、不条理な出世競争、表向きの職場の人間関係etc)は今のところは僕にはありません。衣食住全てを提供されてる上、勉強や趣味の最低限のお小遣いまで貰っている生活は、「下級貴族」と言われればそういう生活なのかなぁと少し首を傾けながらも、最終的には小さく首肯して、「自己納得」する(するようにしている)日々を送ってます。

 

僕は学生時代から人間関係に疲れ果てた時に、家で密かに太宰治を始めとする無頼的な本を読み漁っていました。

 

太宰が昭和初期特有の「強さを求める社会」に迎合出来ず、「己の弱さ」を言葉の芸術として露呈出来ることを武器に、入水自殺に至るまで女性に依存し続けた姿に、僕は「ああ、いいなぁいいなぁ」と、中二病のごとく憧憬の念を抱き続けてきました。そしたら何だか知りませんが僕も現在それに近い生活の布石の段階まで辿り着くことができ、これも長期に渡って心底から念じた結果だなぁ()と思うのですね。まぁ僕は今はそこまで死にたくはないんですけど。情死なんてこれっぽっちも考えていない。

 

そうは言っても僕には太宰のような天賦の創作の才能など微塵も感じられないため、ただただ家で漫然と読書したり、語学の勉強をしたり、彼女とつっつきあって過ごしているだけなので、このままですと、いつかは単なる「無職の白痴おじさん」になる可能性が現時点として拭いきれないわけです。

 

だから一部の人が妄想している「優雅なヒモライフ」は、危険な側面が常に隣り合わせなのだなと最近しみじみと実感しています。

 

僕は今31歳という「お兄さんとおじさんの境界線(人によってはクソおやじだが)」でなんとか地に足着いて、ギリギリセーフの「人型ペット」として踏ん張ることが出来ていると思うのです。

 

しかし僕が少しでも油断をして踏ん張りを弱めれば、彼女の心はあっという間に僕から離れていき、僕は単なる「働かない邪魔物」として彼女から再認識される日が来ることも無きにしも非らずでしょう。そうでなくとも従来の踏ん張りだけですと、これからますます加速する「老け込みの力」には勝てなくなってくるかもしれません。

 

僕がねだる仕草は、単なる息の臭い気持ち悪いおっさんの戯言に変わっていき、僕が寝てる姿は、棺桶に半分突っ込んでるような干からびた惨めな姿になっていきます。また今まであまり気にならなかった言葉の言い回しや、トイレやおなら等の生理的な音にいちいちウンザリするでしょう。「あれがね、これがね」というようなたわいも無い会話さえも面倒臭くなり、シンと静まり返った家の中を、乾いた冷ややかな風がピューピューと駆け回るような状態になるでしょう。

 

そしていつのまにか僕は西新宿の小田急前の喫煙所付近でダンボールを下に敷いて、プルプルと身体を震わせながら、通り過ぎてゆく人々に物乞いをしているかもしれません。究極。

 

まぁそうならないように、現在は万全を期して心身の健康に努め、酒は機会飲酒にとどめ、タバコ・ギャンブルはもってのほか、週に一・二回は美術館や大学の講義などの知的好奇心を刺激できる場所に足を運び、精神を耕しているのです。若さは気からですからね。ヒモは家を大事にしつつ、定期的に遠くまで足を運ぼうとする努力も大事だと思う近頃なのです。

 


あ、それならアルバイトぐらいしろ?

 


いや、絶対にしません。今は必要性に迫られてないですし、週一バイトでもその週一が苦痛になってそればかり考える毎日になるから。割に合わなさすぎ。

 


プロのヒモはアルバイトさえも頼らないのです。「全てを彼女に捧げろ!!」というみみっちいスローガンを胸に秘めて、朝テーブルの上に置かれていくお金を神のお恵みのように感謝しながら毎日を生き抜いていくのです。

 

その為には自分のプライドをどこまでも惜しまない所存です。矜恃ですよ矜恃。

 

彼女と僕との関係性においての、僕という「現存在」を真剣に見つめ続けるということ。それしか僕には出来なさそうです。

 

あ、軽薄な言葉遣いにハイデガーに怒られそうだ。名前を出すだけでも大傲慢。

 

そんなわけで。出来れば今後は書評も含めて定期的に更新していくつもりです。

 

久しぶりの雑感になりました。お読み頂きありがとうございました。